


家づくりはどこへ依頼したら良いのか?
私たちが悩む最大のポイントはここです。
注文住宅を営業する会社・業者は有象無象。
その中で運命の出会いとなる住宅会社は現れてくれるのか、とても心配になります。
幸せな暮らしを手に入れるという目的にあって、家づくりはその手段であり、注文住宅や業者選定はその選択肢でしかありません。
しかし選択肢は、必ずしも分かり易く目の前に登場してくれるとは限らないもの。
時に高品質な住宅を当たり前の高価格で作る会社、割安で建ててくれる会社、粗悪な家を売る業者、姿かたちを変えて様々です。
デメリットを毛嫌いしていては、前へ進めません。
なぜなら、どれを選んでもデメリットがあるから。
この記事では、家づくりに欠かせない住宅会社選びについて、ハウスメーカー・工務店・設計事務所のメリット・デメリットをそれぞれ解説。
この記事を読むことで、自分がどのデメリットを超越すべきかを知ることができ、住宅会社を選定する時の知識として活かせるようになります。
ハウスメーカーはブランド力や組織営業によって集客を行なう、営業会社としての色合いが濃い業態。
実際の施工は系列会社や地域の工務店が請け負っています。
価格は割高ですが、ハウスメーカーという選択肢は一般的に高品質・高耐久な住宅が得られ、何より会社規模に対する安心感があります。
予算に縛られないのであればハウスメーカーという選択肢が最も家づくりを成功に導いてくれます。
また、ハウスメーカーは最新の技術研究や開発力に優れ、試験データも豊富なので、納得のいく説明が受けられるでしょう。
さらに会社規模が大きい利点として、たとえ担当が入れ替わってもきちんと引き継ぎがされるし、数年経っても顧客情報が管理されているという安心感は大きいです。
ハウスメーカーにも大手と中堅とがありますが、一般的に大手であるほど独自工法やオリジナル商品でパッケージ化し、収益確保に尽力しています。
オリジナル商品であれば単純に価格で他社と比較ができないので、消費者としては悩ましいところ。
私たちが一生に一度の大きな買い物であるのに対し、大企業から見ると売上の一部でしかなく、お役所的に業務を流される事もあるかもしれません。
大きな会社から得られる安心感と不安感は、紙一重である場合も想定しましょう。
ちなみに超大手ハウスメーカーは、ゼネコンを凌駕する売上高を計上しています。
建設業売上高(2021年)
順位 | 会社名 | 売上高 |
---|---|---|
1 | 大和ハウス | 4兆1267億円 |
2 | 積水ハウス | 2兆4469億円 |
3 | 鹿島建設 | 1兆9071億円 |
4 | 大林組 | 1兆7668億円 |
5 | 大東建託 | 1兆4889億円 |
※注記:住宅以外の事業が多く含まれているので、新築棟数とは異なります。
例えば積水ハウスの場合、その広告宣伝費は売上比率1.2%~1.3%ほどで、地域の有力な工務店では売上比率5%以上もかけている会社もありますが、そもそも対象となる売上金額が違いすぎるので、注意が必要です。
2021年の積水ハウスの売上高「2兆4469億円」の1.2%は、「293億6000万円」。
一方、地域の有力な工務店の売上を仮に30億円としてその5%は、「1億5000万円」です。
私たち消費者にとって広告宣伝費は、住宅価格に上乗せされると懸念されがちですが、そんなところに気を揉んでも仕方がありません。
それは、例え広告宣伝費の上乗せが無かったにしても必ずしも納得のいく住まいが手に入るとは限らないからです。
つまり依頼先の判断材料に広告宣伝費を用いる事は、全くの見当違い。
ここで言う工務店とは、自社施工の範囲を持っている住宅受注会社の事を指しています。
工務店は施工に長けた業態の会社です。
営業担当も工務を兼ねる事が多いため、細部の収まりや仕様について詳しく説明してくれる能力が高く、施工管理の領域に踏み込んだ調達や調整力もある個人の集団と見受けられます。
ただし、会社によってその技術には大きくバラつきがあるのも事実。
優良な工務店は、集客力・提案力・施工力・品質・価格にバランスが良く、時にハウスメーカーがその地域から撤退するほど、大きな信頼を勝ち得ている工務店もあります。
一方で、ハウスメーカーの下請稼業をメインとしている施工特化型の工務店もあります。
培ったノウハウで自社営業も展開しますが、やはりハウスメーカーほどの提案力やオペレーション能力がない場合もあります。
また、こういった地域の工務店は、フランチャイズに加盟している会社が多いのも特徴です。
そのロイヤリティについては価格に反映させるしかないので、結局はハウスメーカーの縮小版として成り下がってしまう会社もあります。
建築設計事務所は、住宅の設計・監理を請け負う業態です。
施主の要望を受けて間取りや仕様を図面に書き起こしますが、時に私たちが決めかねている悩みや問題点について、最善な解決策を提案してくれる可能性が最も高いのが設計事務所です。
設計事務所は施主と工務店との間に立ち、適切な施工である事を監理してくれます。
設計事務所を採択するパターンは、①設計だけを依頼、②設計・監理を依頼、③工務店の紹介も依頼、とありますが、設計事務所とハウスメーカーの組み合わせだけはありません。
ハウスメーカーは独自の規格住宅を販売する業態なので、設計事務所を採択する際は概ね工務店とのセットになる場合が多いです。
設計事務所に依頼する際は、「③工務店の紹介も依頼」まで合わせるのがベストです。
なぜなら、施工を引き受けてくれる工務店を探すために、設計事務所で作成された図面を闇雲にあちこちの工務店へ持ち込んでいては、いつになったら着工できるのか分からないからです。
なお、設計事務所であれば必ずしも提案力や監理能力があるとは限りませんが、どんなに納得しなくても依頼した以上、作成された図面代くらいは支払が発生します。しかも思っている以上に高額です。
住宅会社でよく見かける見積無料とは混同しないようにしましょう。
注文住宅のパートナーとして、どれを選んでもデメリットが必ずあります。
ポイントは、
どのデメリットを超越できるのか、という点。
★おすすめ!
断定できる要因がハッキリしているのであれば、それは人気の地元工務店が最もおすすめ。
なぜなら同じ地元の設計事務所からの信頼も厚く、意匠的なデザインや最新の住まいに対する施工にも明るい可能性が高いことに加え、大手ハウスメーカーと比べてコスパが良いから。
ただし結局は『人』、担当者によってという事です。
それが解消できるかどうか分からないから、多くの人は大手ハウスメーカーの方が安心だと思う流れ。
手っ取り早く他力本願による安心感を得ようしても、結局、後悔する家づくりの可能性は残ったままなので注意が必要。
それは個人個人によって、あるいはその時々の環境や巡り合わせによって変化するし、同一のカテゴリーの中でも会社によって得意な工法や、不得意なプランもあります。
「このデメリットは承知した、あとは頼む!」という状態に突入するためには、相応の時間と労力を掛けて、自分に合ったパートナーを調べ上げなければなりません。
『家づくりノート』を作ろう!
家づくりは長期戦!
まずはスロースタートで、じっくり検討する期間が大切です。
『家づくりノート』を作れば、
家族でイメージを共有しながら打ち合わせを進めることが可能!
▼家づくりノートの作り方をとことん解説!
それではぜひ、楽しいライフスタイルを !
To Be Continued …