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注文住宅のキッチン選びで後悔したくない人が実践する5つのステップ

注文住宅を建てようとする時、他の項目よりも重点的にキッチンについて考える人は多いです。

なぜなら『食』を支える台所は住生活の基盤となるから。

しかしひと言にキッチンといっても多種多様なレイアウトがあって、結局どんなキッチンが家族にぴったりなのかどうも良く分からないというのもまた事実ではないでしょうか。

キッチンのレイアウトは間取りの要!

この記事では、注文住宅でキッチンを決める際の後悔しない選び方について、5つのステップに分けて詳しく紹介します。

STEP
家事動線を決める
STEP
必要な収納量を決める
STEP
ガスコンロかIHかを決める
STEP
キッチンスタイルを決める
STEP
キッチンの材質と色を決める

すべてのSTEPに『決める』とありますが、ここ、

重要です!

決めるとは『決断』すること。

有耶無耶に「決められないまま」だと少なからず後悔するので、『決心』するために必要な知識、情報収集をたっぷり行いましょう。

これから家づくりを考えている方、すでに打ち合わせがスタートしている方もぜひ参考にしてみてください。

執筆者
ぱんだ
PANDA

住宅ブロガー|二級建築士

住宅&建設業界で30年の現役会社員。
「小さな家づくり、大きな住み心地」をテーマに情報発信!

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目次

家づくりで重要なキッチン選び|失敗しない5つのステップ!

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①家事動線を決める

本来「家事・育児」はそれぞれ別の言葉なのですが、家づくりでは一緒に考える事も有効です。

また育児という言葉を「介護」に置き換えて検討する人も居るでしょう。

いずれ住まいにおいては動線を考える事がとても重要です。

そして家事動線とは、調理・洗濯・掃除などの、家事をする「人の動きを表す線」のこと。

もし、家事動線を意識しないでキッチンレイアウトの検討を始めてしまうと、

キッチンは単独で考えてはいけないという例
  • 素敵なキッチンを手に入れたけど調理しにくい…
  • キッチンは良いけど、洗濯物の取り出しや干し方までの連続性が悪い…
  • 子どもの世話がしにくい間取りになってしまった…

と言った結果に陥りかねません。

何を優先するのかは家族構成や住まい方によって変化しますが、家事動線を意識した家づくりとそうでない家づくりとでは、思いがけない後悔に直面する可能性が全く違ってきます。

例えば「調理をしながら合間に洗濯物や子どもの世話をしたい」同時進行な人と、「調理や後片付けが済んだ後に洗濯をする」一点集中な人とでは、必要な家事動線も違ってきますよね。

キッチンレイアウトを決めるには、家事動線も一緒に検討することも重要です。

家事動線をしっかりと意識してキッチンを主軸とした間取りをプランニングすることは、夫婦共働きが当たり前の現代社会においては必要不可欠な家づくりの要素と成り得ます。

そんな家事動線に大きく関係してくるキッチンレイアウト、まずは大きく「オープン型」と「クローズ型」の2つのパターンから選択してみましょう。

オープン型キッチン

RoomCripより:7kidsmam さん
特 徴

LDKの区画に大きな壁を用いないスタイル

メリット
  • 壁が無く室内に解放感を創れる
  • 見通し良く家族の様子が伺える
  • 調理する作業台を増やせる
デメリット
  • 調理中の匂いがリビングに広がる
  • キッチン自体にインテリア性も必要
  • 調理過程を来客に見られやすい

クローズ型キッチン

RoomCripより:chizuru さん
特 徴

壁で囲われた独立型のキッチンスタイル

メリット
  • 作業中の様子が見えないので調理に集中できる
  • 隣接する間取りとの調和を考えずに好きなキッチンインテリアを実現できる
デメリット
  • 熱や臭いがこもりやすいので換気に注意
  • 家族の様子が分かりにくい
①家事動線を決めるとは?

調理・片付け・洗濯・物干し・掃除などと育児を合わせて判断し、

オープン型キッチンクローズ型キッチンかを決めること

②必要な収納量を決める

最新のシステムキッチンでは、
「うわぁ~!収納たっぷり~♪」と驚くことも多いです。

あるあるですが、その収納力の大きさからついつい物が増えてしまいがち。

私たちはいつの間にか収納量に合わせたストックを持つ暮らしとなってしまう性質を持っていますよね。

ぱんだ

物が増えてしまうのは収納が大きいから?

でも、2年使わなかった食器や台所用品と言った物は、たぶんもうほとんど使いません。

防災の観点から備蓄用品は除くとして、春夏秋冬を2回も経て使わなかった物はおそらく家族にとってあまり必要ではない可能性が高いです。

キッチンスペースに納める物量は、リスト化して容量を把握してみる事をお勧めします。

キッチン収納のパターン例
  • 吊戸棚
  • ワークトップ下(引き出しタイプが主流)
  • 背面カップボード
  • 食品庫、パントリー
  • カウンター側の下部収納
  • 別置きの収納棚

収納を最優先にしたキッチンのレイアウトは、キッチンの使い勝手や好みのテイストとは大きく変わってしまう場合もあるので注意が必要。

しかし収納が少な過ぎても調理作業がしにくかったり、新たに収納を買い足すはめになったりも。

キッチンをどのように使うのか、どんな空間にしたいのか、何をどれくらい収納したいのかを合わせて考えることで、キッチン収納の形や大きさの検討は後悔なく前へ進める事が出来ます。

②必要な収納量を決めるとは?

よく使う物や消費する物、時々使う物、滅多に使わない物の

種類や量をリスト化して必要な容量をしっかり把握すること

③ガスコンロかIHコンロかを決める

キッチンのコンロを選ぶ場合、ガスコンロとIHコンロで迷う方も多いです。

料理好きなら絶対に火力で選ぶガスコンロ!

小さな子どもが居るから安全性で選ぶIHコンロ!

といったイメージ(筆者の偏見を含む)もありますが、一般的な「ガスコンロ」と「IHコンロ」の違いについて表にまとめてみました。

スクロールできます
比較ポイントガスコンロIHコンロ
光熱費
IHに比べて安い

ガスに比べて高い
調理性
手入れ
安全性
調理器具
IH専用器具が必要
耐用年数10年前後が目安10年前後が目安
ガスコンロとIHコンロの比較

地域によってガス・電気料金に違いがあり、または選ぶ設備や仕様などによっても一概には言えませんが、

ガスコンロIHコンロとではそれぞれ違う特徴があります。

従来はガスコンロの方が火力が強いと言われましたが、最近ではIHとそれほど大きな違いはなし。

ただしガスコンロの火力が立体的なのに対して、IHコンロの熱源は平面的なので、フライパンを浮かしたり傾けたりする調理には不向きな点もあります。

またガスコンロのあるキッチンでは、子どもにしっかりと火の使い方を教えることも出来ます。

お手入れのしやすさは魚焼きグリルも合わせて「IHコンロ」に軍配が上がりますが、「ガスコンロ」も昔に比べたらだいぶ掃除が楽になった機種も増えていますね。

ぱんだ

きれい好きな人はどっちを選んでも綺麗に使うし、そうじゃない人はどっちを選んでも…。

③ガスコンロかIHコンロを決めるとは?

それぞれメリット・デメリットあり!
『初期費用』や『ランニングコスト』で検討するよりも、家族にあった暮らし方で考えるのも有効。

④キッチンスタイルを決める

住設(住宅設備機器)としての”キッチン”について関わる範囲になりますが、決して隣接する間取りとも無関係ではありません。

LDKの間取り形状や面積、デザインやライフスタイルとも調和したキッチンスタイルの選定が重要です。

ここでは各種キッチンスタイルの特徴やメリット、デメリットについてまとめます。

Ⅰ型キッチン(壁付け)

RoomCripより:Ash さん
特 徴

シンクとコンロが一列に配置されたスタイル

メリット
  • 背面空間を広く設定できる
  • 壁に向かって調理作業に集中できる
デメリット
  • 家電や食器棚、冷蔵庫の配置に工夫が必要
  • ダイニングテーブルまでの距離に要検討
  • パントリーの配置次第で作業効率が低下

L型キッチン(壁付け)

RoomCripより:cheppy さん
特 徴

シンクとコンロがL字に配置されたデザイン

メリット
  • 調理作業時の移動が楽
  • 作業スペースを多く確保できる
デメリット
  • コーナー部分の使い勝手に工夫が必要
  • 収納確保が難しい場合も多い
  • 比較的広めのスペースが必要になる

アイランドキッチン

RoomCripより:Arahima さん
特 徴

Ⅰ型ワークトップが壁に接しない「島」形状のスタイル

メリット
  • 開放感があるので部屋が広々
  • 家族とコミュニケーションがとりやすい
デメリット
  • キッチンスペースにかなりの面積が必要
  • 全て丸見えなので常に整理整頓が必要
  • 調理の匂いや音がリビングに広がる

ペニンシュラキッチン(片壁)

RoomCripより:chiiiiiyan さん
特 徴

Ⅰ型の一方が壁に接した半島のようなカウンタースタイル

メリット
  • 選べる換気扇の種類が増える
  • 適度な開放感を得られる
  • 作業スペースと対面コミュニケーションの両立
デメリット
  • アイランドキッチンに比べて開放感に劣る
  • 調理や洗い物の「音」がリビングに広がる
  • 調理の匂いや音がリビングに広がりやすい

Ⅱ型キッチン

RoomCripより:yuri___1115 さん
特 徴

シンクとコンロが二列に分かれたスタイル

メリット
  • 壁付けや対面の組み合わせなど選択肢が広い
  • 作業分担で複数人による調理も可能
  • 調理への集中と適度な開放感を両立できる
デメリット
  • シンクとコンロの行き来で、洗った食材の水滴が床に落ちるなど作業効率に注意
④キッチンスタイルを決めるとは?

住設の仕様や形状と、隣接する間取りを組み合わせて選定すること

⑤キッチンの材質・色を決める

キッチンを選ぶ際には材質や色を基準に選ぶ考え方もあります。

オープン型のキッチンであれば、
隣接するリビングやダイニングのイメージに色や素材を調和させる事も大事でしょう。

クローズ型のキッチンであれば、
作業効率やお手入れを最優先とした考え方で素材を選ぶという方法もあります。

無難にいくか、冒険して攻めるか。

ぱんだ

悩ましいところですね。

また、キッチンメーカー各社で取り扱っているセラミック製のワークトップなら、良質な素材感もさることながら、まな板なしで包丁が使えたり、熱いフライパンをそのまま置くことだって可能。

他にも、ホーロー製のシステムキッチンは、お手入れが「楽」という特徴もあります。

昨今の住宅間取りの主流である『LDK』という概念においては、キッチンの持つ重要性が多くの割合を占めるので、扉の色にまで強いこだわりを持って検討に挑みたいですよね。

さて、多くのメーカーではワークトップや収納扉の材質や色、形状を自由に選ぶことができます。

より愛着を持って長く使える組み合わせは何か?

材質や色から得られる印象1つで、キッチンに対するイメージが大きく変わります。

ぜひ、メーカーショールームで実物の色や質感を感じて、実際にキッチンで作業をする時をイメージしながら、しっかりとシミュレーションしてみる事をお勧めします。

ぱんだ

色は光の反射で印象が変わります!
ショールームでは照明を加味して下さい。

⑤キッチンの材質・色を決めるとは?

最も目にするので趣味趣向が色濃く反映される

後悔しないポイントはあまりに奇をてらった選定を避けること

どうしてもこだわりたい色や形状はアクセントとして一部に用いることがおススメ!

実際に住んでみて後悔するキッチン選びのポイントとは!?

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LDKの概念を再確認してみよう!

ひと続きの「リビング・ダイニング・キッチン」が本当に必要?

もしかしたら「クローズ型」のキッチンの方がその後の長い住居生活に向てたりしませんか?

対面キッチンなどは、家事をしながら家族の様子が確認できる等のメリットも沢山ありますが、家事炊事の音がリビングに届くことによってテレビの音量を上げがち。

結局、期待していたコミュニケーションは音で遮断されてしまう恐れもあります。

設備機器の選定は慎重に!

システムキッチンには絶対に大容量のビルトイン食洗器を付けたい!と考える人が多いです。

実際とても便利なのと物珍しさで始めの方は頻繁によく使ったりもします。

がしかし、家族構成の変化によって徐々に使わなくなったり…。

またそれがずっと最新型であるはずもなく、常にテクノロジーは進化しているので、数年後には交換部品がないという事態も想定しておかなければなりません。

ライフスタイルの今後の変化も見越した時、食洗器は据え置きタイプにしておいてその分をビルトインのオーブンにしたら料理の幅も広がって楽しいし、あるいは単純に収納スペースにするのもアリですよね。

ぱんだ

オーブンはたまに使うだけも良い気がするけど、食洗器をたまに使うだけだと勿体ないと思うのは何故だろう…。

システムキッチンにビルトイン食洗機が本当に必要かどうか、しっかりと考えたいです。

空調・配線・アンペア数も視野に!

LDKによるオープン型キッチンでは、調理中の排煙がとても重要。

換気扇ダクトの性能が不十分だと部屋中に匂いや煙が充満します。

またどんなに美味しい料理のいい匂いであっても、翌日以降の部屋中に染み付いた匂いはとても良いものではありません。合わせて居室の換気についても十分な検討が必要です。

そして電化製品を多く使う場所でもあるキッチンには、電源や配線も気になるところ。

欲しい場所にちゃんとコンセントを設定する為には、使用する炊飯器や電子レンジ、ポットなどをリスト化しておくことが重要です。

また複数の家電を同時に動かすと、予想していたよりも早めにブレーカーが落ちちゃうのはよくある話。

アンペア容量の契約は後からでも変更可能です。
生活していく上で様子をみて、必要であれば変更しましょう。

事前のシミュレーションが重要!

キッチンレイアウトの使い勝手や家事動線、他の間取りとの連動性については、実際に生活してみないと分からない点も多くあります。

しかし住設としてのシステムキッチンについては、事前にメーカーのショールームで確認できる事も多いです。

せっかくの注文住宅のキッチン選びで後悔をしないためにも、電化製品を置く位置や調理作業でどんな動きがしっくりくるかなど、ショールームで実物に触れながらじっくりと検討しましょう。

あとがき:間取りの検討はキッチンから考えてみるのもアリ!

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家づくりとなるのは『間取り』です。

間取り図で住宅のほぼ全てが決まります

なぜなら、間取り図からは住まう家族の生活が読み取れ、必要な構造が把握でき、必要な予算も計算できるからです。

そんな間取りで特に重要なのが、今回テーマにした『キッチン』。

そりゃあもう重要すぎて、キッチンの位置や動線から考える平面図も少なくありません。

あるいは最後の最後まで見直しや手直しが掛けられるのもキッチン計画である場合も多いです。

それだけ施主の気持ちが揺れ動く場所、住宅会社側もそれと認識している大切な場所、ということかも知れません。

でも、キッチンの検討はちゃんと順を追って検討すれば、失敗する可能性はガクッと減ります

ぜひこの記事を参考に後悔しないキッチンレイアウトを検討してみて下さい。

『家づくりノート』を作ろう!

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家づくりは長期戦!
まずはスロースタートで、じっくり検討する期間が大切です。

家づくりノート』を作れば、
家族でイメージを共有しながら打ち合わせを進めることが可能!

あわてずじっくり検討したいこと
  • 要望や方向性の整理
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『家づくりノート』を作るメリット!
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それではぜひ、楽しいライフスタイルを !

To Be Continued

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