ウェブサイトやブログで見かける「いきなり住宅展示場へは行くな!」は、ウソです。
あたかもしつこい営業マンの餌食になって強引に契約を迫られ、後悔する家づくりとなってしまう様な謳い文句が出てきますが、それはただ紹介したいサービスへ誘導する為のセールストーク。
まるで何かワンクッション経由すれば、とても有意義な物にでも昇華するかの様なフレーズが並びますが、モデルハウスへ行く前に確認できる情報収集なんてたかが知れています。
たとえ住宅展示場がどんなに夢と魔法の国であったとしても、普通に考えて一世一代の買い物「注文住宅」を雑誌やネットの情報だけで判断するより、実態としてコレ以上の参考はありません。
ひとまずハウスメーカーの最新設備や性能を知っておいて損はないし、自分がどんな点に妥協すべきかイメージを持つことが出来るでしょう。
ただし、住宅展示場へ行く目的を明確にしておかないと、行ってみてすごく後悔してしまう事も。
【住宅展示場へ行く目的】
- ハウスメーカーを比較したい
- 工法や性能の特徴を見比べたい
- 最新の設備・仕様に触れてみたい
- インテリアや収納のヒントを得たい
- 間取りや生活動線を参考にしたい
カタログやホームページでは分からないことを確認しに行く!!
【注意点】
・興味本位で行くなら”予約なし”で行く
・真剣に聞きたいなら”予約あり”で行く
【重要なポイント】
・モデルハウスの見学は1回勝負ではない
この記事では、注文住宅で家づくりを考える人が初めて住宅展示場モデルハウスへ見学に行く際の注意点について詳しく解説!
この記事を読むことで、住宅展示場モデルハウスでの見学の有用性が理解でき、その体験が家づくりにおいて大変有益なものとなります。
なぜ、いきなり住宅展示場モデルハウスへ行ってはいけないのか?
こんなにも住宅展示場モデルハウスへの見学が警戒されるのは、一体何故なのか?
もしその理由が、カモネギ状態に見られることを恐れているだけだとしたら、知識や理論の補完をもって劇的に有意義な場とすることが出来ます。
営業経費が上乗せされるから
住宅展示場モデルハウスでは莫大な維持管理費が掛けられています。
「いきなり住宅展示場へは行くな」という意見の中には、どうもこの経費が住宅価格に上乗せされると思っている方も多いようですが、結論的には全く関係ありません。
企業の宣伝広告費とは、客が利用しようがしまいが関係なく計上されるものです。
したがって、住宅展示場へ行かなければ何か特典が得られる訳でもなく、テレビCMを見てない人が値引きされる訳でもありません。
注文住宅という大きな買い物にあって、無料で利用できるサービスや見学があるならば、もっと積極的に活用すべきだと言えます。
拘束時間が長いから
筆者も経験ありますが、朝9時に住宅展示場へ着いて「さぁたっぷり見学するどー!」と意気込んでみたものの、ダイワハウスと積水ハウスの2件を見てもう午後2時半を過ぎていたという事も。
人に依りけりですが、モデルハウス1棟あたりの見学時間の相場は約60分と言われる中、この時は軽くその2.5倍!
しかし、拘束時間が長いから時間の無駄!という理由で「住宅展示場へは行ってはいけない」とは成りえません。
なぜなら、注文住宅での家づくりはそもそも時間を掛けて行なうべきであり、決してコンビニで見渡すような時間で済む買い物じゃないからです。
しつこく営業されるから
これもよく言われますが、営業マンも生産性を高めた営業活動をしたいので、直近でお家を建てたい訳じゃない見込み薄な客を全身全霊で追いかけたりはしません。
住宅展示場ではアンケートと称して住所や連絡先を記入させられますが、別に真実を記載しても構わないし、何なら「今日は見学です。後々検討しようかどうか、ただの冷やかしです。」と言ったり書いたりしても一切問題なし!
むしろ営業マンからすると、思わせ素振りな態度を取られる方がよっぽど時間の無駄です。
しつこい営業をかけられるのは、はっきりと断ることの出来ない気の弱さに起因する場合もありますが、営業マンは断られる事に慣れているので気にする必要はありません。
と言うより、大手であればあるほど今どきガツガツした営業はしておらず、あまり詰め過ぎて途中で思い直されてキャンセルされるくらいなら、じっくり上品に誠実に営業してた方が時間効率が良いと考えています。
最初の営業マンがずっと担当になるから
住宅展示場へ行くと、冷やかしで見学だろうがほぼ誰かしらの名刺を貰うことになります。
紹介でもない限り、どんなルートで行ったとしても営業マンガチャは避けられないでしょう。
その後、真剣にその住宅メーカーで家づくりを考えようとなった時、最初に出会った営業マンがそのまま担当になるのはよくある業界の通例。
ただしこれは、こちら側から何も意思表示をしなけばという前提であり、会社へ希望を伝えても絶対に担当を変えてくれないという訳ではありません。
営業拠点としては、クレームやトラブルを未然に防ぐためにも、客のそういった要望には迅速に応えてくれるものです。
なぜなら、もし「担当を変えてくれないから他社にする」なんて意見が本社へ直接行ってしまったら、とんでもない失態となるからです。
ちなみに誰もがみな「優秀な営業マン」に担当してもらいたいと願いますよね?
でも優秀な営業マンって、何となくで来場したまだ何も決まっていない冷やかしのお客さんを相手に、巧みなセールス技術でその気にさせて、3か月後とかに契約を勝ち取る人の事を言うんですよ。
優秀な営業マンとは決して自分に都合の良い営業マンではないので、自分の勝手なイメージで優秀な営業マンの虚像を持たないことをおすすめします。
予算の甘さに恥をかくから
各ハウスメーカーが総力を結集して作るそれぞれのモデルハウスは、どれも最高級グレードに包まれたまさに夢と魔法の空間です。
素敵さと楽しさで見学する足取りもどこかフワフワしてしまいがち。
そして現実的じゃない坪単価や建築総額を知って、「自分なんかが来る場所じゃなかった」なんて落ち込んだりしちゃう訳ですが、これはほぼ全員が経験すること。
ハウスメーカーは別に一部の高収入層だけを相手に営業している訳ではなく、むしろ大部分の”そうじゃない”お客さんを中心に営業しているので、こちらからあまり気にしない方が賢いです。
ただし大手ハウスメーカーだけにこだわって家を建てたいのであれば、400万円台からの世帯年収や、30年以上の住宅ローンを組める若さがないとちょっと厳しいかも知れません。
他のサービスを経由させたいから
「いきなり住宅展示場へは行っちゃダメ!」というフレーズのあるウェブサイトには、高確率で誘導したいサービスへ飛ぶリンクが貼られています。
まずは紹介するサービスから資料請求しましょうとか、ここへ相談しましょうとか、その方が失敗が少ないですよという流れ。
「いきなり」というのは、ハウスメーカーのホームページすら閲覧することなく、予備知識ゼロの状態で住宅展示場へ行くのは良くない、という意味。
「いきなりじゃない」として、どんなサービスを経由しようが、どんなに空想で勉強しようが、住宅展示場へ行く事前の情報収集としてはその成果にあまり効果はありません。
簡単に述べると、色んなモデルハウスを見てからハウスメーカーを絞るか、事前に得た先入観だけでハウスメーカーを絞るか、ただ順序の違いです。
住宅展示場モデルハウスの営業形態を理解しよう!
いきなり住宅展示場へ行っても問題ないことが何となく理解できたら、次はモデルハウスの営業形態について知ることで、より有益な場としましょう。
予約なしと予約あり
最もやってはいけないパターンは、注文住宅で家づくりを考え始めたばかりの人が、まだ何1つ希望も要望もまとまっていない状態にも関わらず「予約」して住宅展示場へ行っちゃうこと。
住宅会社からみて”予約して来場される方”は、新規の見込み客です。
ただの冷やかしじゃ許されない、優秀な営業マンが熱意ある案内をしてくれる可能性が高いです。
逆に、ほぼお目当ての住宅メーカーと決めてるにも関わらず”予約しないで来場する人”は、たまたま居合わせた営業マンに軽くあしらわれる事も。
なぜ、モデルハウスがあるのか?
住宅メーカーにとってモデルハウスは、お客さんに自社の住宅建築を検討してもらう場所であり、営業拠点とて重要な役割を担っていますが、実は事務所機能も兼ねています。
それは、通常の会社でいうところの応接・来客スペースと比率がまるで逆のイメージです。
もちろん総務・経理機能を持つ支店や事業所が他にありますが、モデルハウスは営業所や出張所といった位置付け。
配属されている社員が毎日キレイに掃除したり、来場者の混雑を分散するスケジュールを組んだり、気持ちよく見学できる工夫がなされています。
なお、モデルハウスという場所で契約が完結する訳ではなく、たとえば土地の売買を含む契約などでは、宅建業法の看板を掲げる支店などへお客さんをお連れする必要があったります。
営業マンの行動を理解しよう!
営業マンにとって最も重要なお客さんは、既に土地を持っていて、敷地図面を持参してくれる予約ありの来場者です。
さらに既存顧客からの紹介であれば、絶対に契約を逃してなるものかと、熱もこもるでしょう。
逆に言うと、それ以外の来場者に対してはそれほど違いはありません。
見込み客の整理は、3ヵ月~6ヶ月のスパンで優先順位を決めて取り組むので、明らかな”冷やかし客”に対しては営業をかける熱量が少ないです。
ただし「今後の見込み客として成り得るのか」という点について、事細かにリサーチされます。
たとえば年収について、自社のブランドで住宅を建てる人にふさわしいのか、親から支援を受けられるのか、すなわち予算は十分にある人なのか。
あるいはスケジュール感について、新居を急ぐ理由があるのか無いのか、他社とはどこまで打ち合わせしているのか等、何気ない会話の中からエスパー並みのヒヤリング能力を発揮してきます。
これが住宅展示場モデルハウスの見学・回り方のポイント!
せっかく住宅展示場モデルハウスへ見学しに行くならば、それは有意義な時間としたいですね。
ここからはモデルハウス見学のポイントをまとめていきます。
モデルハウス見学のメリット
モデルハウスを見学する最大のメリットは、実際に体感できること。
カタログやホームページからだけでは分からない、空間や質感、気密性や空調など、すべてを肌で感じることが出来ます。
壁材や床材、システムキッチンやバス等の住宅設備、実際の広さや高さ、外観やインテリアなど、家づくりのイメージ作りに役立てましょう!
事前に準備しておくこと
住宅メーカーは2~3社に絞る
住宅展示場の中には、50棟以上にもおよぶ大規模な場合もあります。どの展示場のどのハウスメーカー・工務店を見て回りたいのか、ホームページなどで事前にしっかり確認!見学時間の目安は1社あたり約90分としておくと、1日のスケジュールも立てやすいでしょう。
来場予約をする
まだ家づくりがぼんやりとした状態であっても、「今すぐに家を建てたい訳はありません。ただの見学です。案内はなくても良いです。」という前置きで予約しておくと、混雑で来場を拒否されることも少ないでしょう。せっかく出向くのであれば、確実に入場できる方が効率的です。
ただし、強気に断ることがあまり得意じゃない人は予約せずに、空いてる時間帯に飛び込みで見学した方がしつこい営業に遭わずに済むかも知れません。
動きやすい服装で出かける
階段で他人の目線を気にするような動きにくい服装や、履いたり脱いだりするのが困難な靴、壁にぶつけながら持ち歩くような大きなカバンや荷物は、モデルハウスの見学に適していません。間取りや動線を確認するため思っている以上に室内を動き回るので、身軽な服装で行きましょう!
確認したい点をまとめておく
一方的に案内や説明を受けるよりも、各ハウスメーカーに聞きたいことは是非、聞いてみることをおすすめします。配布されたカタログを手に何が特徴なのか、どれが別売りオプションなのか、あるいは平均的な建坪や坪単価、自分たちの予算でどの程度の家が建つのかなど。
モデルハウスで確認すべきポイント
寸法・サイズを参考にしたい
モデルハウスは複数の来場者を同時に入れるため、建物の空間が大きめに作られています。それを踏まえた上で、真似したい空間や家づくりに取り入れたい寸法があれば、しっかりメモしておきましょう。
工法・構造の特性を比較する
事前にホームページでも確認できますが、ややこしいのがその会社オリジナルの名称である場合。結局は木質系・鉄骨系・プレハブ系・コンクリート系に分類されますが、それぞれのメリット・デメリットは素人目には判断できません。ひとまず何がその住宅メーカーの”売り”なのか理解しましょう。
住宅性能のセールスポイントは?
耐震性能はもちろん、断熱性・気密性などの省エネ性能にも興味を持ちたいです。特に夏も冬も快適に過ごせるのかという点については、各社しのぎを削っているので、そのアピールポイントを詳しく把握しましょう。
最新の住宅設備に触れる
システムキッチンやユニットバス、洗面化粧台やトイレ、空調設備などに関する住宅設備機器に注目してみましょう。特に標準装備とオプションに分かれるポイントでもあるので、快適な暮らしのヒントに役立てたいところです。
間取り・動線を参考にする
ハウスメーカーには、これまで既契約の顧客から得た膨大なフィードバックがあります。「もっとこうすれば良かった」「ここが暮らしにくい」「これが生活しやすい」など、様々な意見を反映させたアップデートをもって最新の間取りや動線を提示してくれます。ぜひ参考にしましょう。
お洒落なインテリアを真似る
時代の流行りすたりもありますが、モデルハウスではひとまず、現状で最新のインテリアを知ることが可能です。個人の好みや趣味趣向を踏まえたとしても、万人受けするインテリアは今後の家づくりで大いに参考になります。プロが集客や成約のために考え抜いたインテリアは、少なくとも我々素人よりは遥かにセンスが良いものでしょう。
注文住宅の家づくりで一度は行ってみたいおすすめの住宅展示場
住宅展示場は全国各地に多数あり、同じハウスメーカーでもその場所によってモデルハウスのタイプが大きく異なります。
快適な間取りや住宅設備など、後から知って後悔するくらいなら、じっくりとアチコチの展示場へ出かけてみたいですね!
ハウジングワールド立川
モデルハウスの数は50棟以上を誇る、東日本最大級の住宅展示場です。
まるで街の一角のようなその敷地内は、注文住宅で家づくりを考える人ならば一見の価値ありです!
▼ハウジングワールド立川の歩き方はこちら。
まとめ:住宅展示場の注意点!モデルハウスを見て回る重要なポイント
注文住宅における家づくりで、住宅展示場モデルハウスの見学を有効に活用すべき理由について説明しました。
決して「いきなり住宅展示場へは行ってはいけない」という訳ではありません。
何かワンクッション経由したとしても、事前に確認できる情報収集なんてたかが知れています。
それよりも、モデルハウス見学で得た経験をその後の家づくりに活かす方がとっても有益!
失敗しない家づくりにおすすめなのは、情報収集と情報整理、そして情報共有です。
それだけが次の正しい行動、選択肢を形成する大切なポイント!
『家づくりノート』を作ろう!
家づくりは長期戦!
まずはスロースタートで、じっくり検討する期間が大切です。
『家づくりノート』を作れば、
家族でイメージを共有しながら打ち合わせを進めることが可能!
- 要望や方向性の整理
- 資金計画
- 住宅会社選び
- 土地探し
- 間取り・仕様の比較検討
- 家づくりの希望条件、考え方を整理
- 家族で住まい方のイメージを共有
- 日程や期日など共有スケジュールを確認
- 住宅会社へ明確に伝えやすいくなる
▼家づくりノートの作り方をとことん解説!
それではぜひ、楽しいライフスタイルを !
To Be Continued …