注文住宅の検討では見積書の解読にとても苦労します。
見積書の中身をよく理解できない事には、単純に金額でしか比較できません。
- 見積書って、値段を比較すれば良いんでしょ!?
- 結局は総額でいくらかじゃないの?
- 建築の専門用語はよく分からない
私たちは注文住宅の見積書がどのようにして作成されるのかを、ちゃんと知っておくべきです。
なぜなら見積書とは施主の要望を叶える為の工事内訳なので、見積書を理解できないという事は自分が建てる家の仕様がよく分からない、という事になるから。
しかし、見積書のどんな点に注意して確認したら良いのかと不安に思う事はありませんか?
この記事では、注文住宅の見積書に登場する内訳項目を1つ1つ丁寧に解説しています。
この記事を読むことで、見積書で着目すべき点について理解を深める事ができ、誰もが理想の住まい作りに近づく事が出来ます。
見積書を読み解けなければ正しい比較検討が出来ないので、ぜひ頑張って取り組みましょう!
- 注文住宅の見積書:大項目3つについて
- 注文住宅の見積書:本体工事20の内訳について
- 注文住宅の見積書:付帯工事や諸経費について
実際の内訳項目を1つずつ解説しています。
注文住宅の見積書には3つの大項目がある
注文住宅に限らず建設業における請負工事の見積書の中身は大きく分けて「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」の3つから構成されます。
大項目①
本体工事費
本体工事とは見積総額のおよそ7割以上を占める、住宅建築工事の基幹となる範囲。
基礎工事から木工事、住宅設備機器、内装工事、塗装工事など、居住空間を造るために必要な様々な工種が、内訳として本体工事に組み込まれています。
なお、本体工事には基礎工事前の地盤改良や、建築工事とは別の外構工事などは含まれていません。
また、施主の要望に沿ったプランや仕様によって総額が大きく変わるのも特徴で、内訳の1つでこだわった要望が、必ずしもその工種だけで完結するとは限らず、工事全体に連動して見積金額が変化する場合もあります。
予算との戦いは、おおむねこの「本体工事」になります。
広告でよく目にする『家』の価格とは、概ねが「本体工事費」のみ、或いはその一部から表示されている。「坪単価」についても「本体工事費」のみからの算出である場合が多い。
大項目②
付帯工事費
付帯工事とは見積総額のおよそ2割を占める本体工事のそれ以外に該当する工事を指します。
例えば地盤改良であったり、外構工事などがこれに該当。
具体的には外構フェンスやカーポート、玄関アプローチ、庭の植栽など、居住空間を造る本体工事とは別に必要となる工事です。
また、屋外給水や屋外照明などの工事もこの範囲に含められます。
さらに居住空間ではあるものの、カーテンやブラインド、照明器具など、二次架装品と呼ばれる商品代や取付工賃を付帯工事に含める場合もあります。
本体工事に含めるか付帯工事に分けるか、会社ごとに手法が異なる範囲もあります。
大項目③
諸経費
諸経費とは見積総額のおよそ1割を占める本体工事や付帯工事を進める為に必要な手続きに係る費用。
例えば、地盤調査や確認申請に必要な手続きがこれに該当します。
また施主側の負担を軽減するため、住宅会社が業務の一環で関わってくれる手続きとして、住宅ローン申請や火災保険等の手続き、不動産登記費用や不動産取得税、固定資産税などの税制対応なども諸経費に含まれます。
なお、申請や手続きに係る費用は現金で行う場合がほとんどです。
収入印紙などはクレジットカードやスマホのキャッシュレス決済等での購入はできないので、現金が必要な科目については、その金額を準備する日程について、事前に住宅会社の担当者と確認しておく事が大切。
諸経費にもまた、それぞれ項目があります。
諸経費「一式」という見積では検討が難しいですね。
注文住宅の見積書「本体工事」の内訳は約20項目!
本体工事はざっくりと20項目におよびます!
1つ1つすべてを理解することは難しいですが、比率の関係性だけでも大まかに覚えておくと便利です。
- 仮設工事
- 基礎工事
- 木工事
- 屋根板金工事
- 金属製建具工事
- 木製建具工事
- ガラス工事
- 防水工事
- タイル工事
- 石工事
- 鋼製工事
- 左官工事
- 塗装工事
- 内装工事
- 外装工事
- 電気設備工事
- 給排水設備工事
- 空調設備工事
- 住宅設備機器工事
- その他諸経費
▼注文住宅の本体工事内訳についてはこちらで解説。
注文住宅の見積書「付帯工事」の内訳は約8項目!
付帯工事費は総額のおよそ2割を占める、住宅建築工事に密接に関係した範囲の工事です。
状況や環境、或いは施主の要望によって発生する工事なので、全てに適用される訳ではありません。
- 解体・整地工事
- 地盤改良工事
- 配管敷設工事
- 屋外電気工事
- 外構工事
- 造園工事
- 照明器具
- カーテン、ブラインド
▼注文住宅の付帯工事についてはこちらで詳しく解説!
注文住宅の見積書「諸経費」の主な内訳は3項目!
諸経費は総額のおよそ1割を占める、住宅建築工事に絶対必要となる範囲です。
本体工事や付帯工事については間取りプランや宅地状況など、施主側の選択や努力、工夫などで一定の予算削減を図れる要素も多々ありましたが、諸経費については住宅を建てる際に必要となる申請や税制における経費なので、避けては通れない範囲です。
また、諸経費の科目に必要となる金額・代金は、概ね現金のみであるという点に注意し、住宅会社の担当者と「いつまでに、いくら準備するのか」について、しっかりと打ち合わせをしておきましょう。
- 土地取得時に必要な諸費用
- 住宅建築時に必要な諸費用
- 住宅ローン契約時に必要な諸費用
▼注文住宅の諸経費についてはこちらの記事で解説!
注文住宅の見積書「内訳項目」を読み解くポイントについて!
本稿の記事は注文住宅の『契約に至る見積書』の解説ですが、一般に先に入手するのは『無料の概算見積』の方だと思われます。
概算見積では、記載されている項目のほとんどが「一式」という数量を用いた表記なので、あまり参考にならないかも知れません。
しかしその概算見積の時点から本見積書の事をイメージしておくと、予算に対する思考や住宅会社との打合せに際して大変有利に立ち回れます。
ここでは、無料の概算見積についても同じ考えで読んで頂ければと思います。
POINT①
数量が明確であること
数量とは設計数量の事を表します。
設計数量とは設計図から拾い出した面積(㎡)や体積(㎥)、長さ(M)であり、共通の「単位」があります。
数量が「一式」ばかりの見積書は、契約するのが怖い。
▼住宅工事の単価の決まり方についてはこちらで解説。
POINT②
図面や仕様書との整合性を確認
見積書の項目は図面や仕様書のどの部分を指しているのか、1つ1つ、全て確認しなくてはなりません。
逆に、図面や仕様書の通りに住宅を建てる為に必要な金額が「見積書」という意味になります。
その見積項目が図面のどこを指しているのか、明確になっていると分かり易い。
POINT③
相見積もりで考えること
原則的に相見積もりをお勧めするのは「無料の概算見積」の段階までです。この時点では概算金額と共に、各住宅会社が提案してくれるプランについても比較検討する事が大切です。
相見積もりの数は最低、3社以上あった方が良いです。住宅会社もそれは理解しています。ただし、その3社でイマイチ興味が沸かない場合は、さらに4社、5社と進めていく事も全然アリです。
気になるプランと出会えたのならもっと細かい要望を伝えてみたりして、この期間の打ち合わせはざっくりと有効活用しましょう。
概算見積書の相見積もりは同時進行OK!
しかし本見積書は1社ずつ進行させること
やがてその中から、本腰を入れて打ち合わせをしたい住宅会社を絞らなくてはなりません。ここで1社に絞れたら理想的ですが、現実にはなかなか難しい場面も多いです。
しかし、優先順位は決めて下さい。
優先順位が最も高いと思う住宅会社を1社決める事が出来たなら、その旨を担当者へお伝えして本見積書の依頼へと進みましょう。
本稿の記事を読んで頂ければ分かると思いますが、本見積書の作成は到底無料できるものではなく、労力や手間の掛け方が全く異なる重要な書類として出来上がってきます。
その1社の本見積書とどうしてもマッチしなかった場合に限り、次に優先順位の高かった住宅会社へ本見積書の依頼をする様にしましょう。
そうしないと恐らくどこに何を要望したとか、誰がどこの会社の人だったとか、混乱を重ねる内に住宅会社があなたに対する興味と信頼を無くしてしまい、以降、有意義なやり取りが出来なくなる可能性が高くなります。
まとめ:注文住宅の見積書「内訳項目」の比較検討ポイント!
注文住宅の見積書には膨大な内訳項目があります。
それをどのように解釈し、どんな点に注意して比較検討を重ねていけば良いのか?
それは、見積書の内訳と数量単位について理解を深める事で、施主力アップを図り、理想の住まい作りを目指すことが可能です。
『家づくりノート』を作ろう!
家づくりは長期戦!
まずはスロースタートで、じっくり検討する期間が大切です。
『家づくりノート』を作れば、
家族でイメージを共有しながら打ち合わせを進めることが可能!
- 要望や方向性の整理
- 資金計画
- 住宅会社選び
- 土地探し
- 間取り・仕様の比較検討
- 家づくりの希望条件、考え方を整理
- 家族で住まい方のイメージを共有
- 日程や期日など共有スケジュールを確認
- 住宅会社へ明確に伝えやすいくなる
▼家づくりノートの作り方をとことん解説!
それではぜひ、楽しいライフスタイルを !
To Be Continued …